2004-05-01から1ヶ月間の記事一覧

読んだ本のメモ。 ずいぶん前に買ったウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』(岩波文庫)が積んだままになっているのを見つけてページを手繰ったのだけど、あいかわらず暗号文を解読するようにしか読めなくて、もうこのままではちっとも進む気がしなくなっ…

拉致関係

新しいカテゴリー。 北朝鮮が騒がしいようだ。 拉致関係の展開とか、それをめぐる報道とかを目にするときにぼくがなんとなく苦い気持ちになるのは、その「当事者」と「評論家」との、接着しっぱなしの状況のせいだ。といっても、「評論家」としての北朝鮮専…

『ビッグ・フィッシュ』

感動作という評判を頼りに、『ビッグ・フィッシュ』(監督:ティム・バートン)を見に行く。 先週の『世界の中心で、愛をさけぶ』に引き続き、ここのところどうもメジャーどころを鑑賞作に選択している。ミニシアター系からはずいぶん遠ざかって。理由は簡単…

読んだ本のメモ。 『自我の起原 愛とエゴイズムの動物社会学』(真木悠介:岩波書店)。 勉強。ダーウィンもローレンツもドーキンスも読んだことがないのはいかがなものかと思い、でもそれぞれの著作にあたる情熱もないぼくが、生物社会学について簡単に知ろ…

『世界の中心で、愛をさけぶ』(続き)

昨日の続き。引き続き、ネタバレ。 (2) 原作(片山恭一)と映画(行定勲)との最大の違いは、そのテーマの比重をどこに置いているかの違いと言える。この映画版『世界の中心で、愛をさけぶ』においては、アキが死んだ後で朔太郎がどのように世界との関係…

『世界の中心で、愛をさけぶ』

映画『世界の中心で、愛をさけぶ』(監督:行定勲)を見る。 原作を立ち読みで済ませたのがなんとなく悪いような気がして、まあその罪滅ぼし的な感じで映画館へ。原作とはちょっと違ったストーリーらしいという事前情報はあった。個人的な興味はひとつだけで…

読んだ本のメモ。 『ルーマン 社会システム理論』(ゲオニク・クニール、アルミン・ナセヒ:新泉社)。以前、社会システム理論についてなんにも知らないのもどうかと思って買ったまま「積ん読」状態だった、ルーマン理論への入門・概説書。分かりやすくて読…

『世界の中心で、愛をさけぶ』

『世界の中心で、愛をさけぶ』(片山恭一:小学館)。小説。いわずと知れたベストセラー。立ち読みしていたら、図らずも読了してしまったので。 以下、簡単に感想。 内容としては、「愛すること」(「愛」ではなくて*1)と「愛する人と永遠に別れること」が…

「嗤う日本のナショナリズム」

「嗤う日本のナショナリズム――『2ちゃんねる』にみるアイロニズムとロマン主義」(北田暁大:『世界』2003年11月号)について、整理。内容については、2ちゃんねるの反マスコミ主義とナショナリズムについて社会学的に取り上げたというもの。分かり…

読んだ本をメモ。 小説。『モンスターフルーツの熟れる時』(小林恭二:新潮社)。小林恭二はずっと前に読んだ『ゼウスガーデン衰亡史』以来の二冊目*1。連作短編という形なんだろうか、これは。各章の語り手は同じ(「わたし」)で、それを通して語られる各…