2004-02-01から1ヶ月間の記事一覧

[愚者考]−『方法序説』

(3) 『方法序説』においてつぎに現れる「2」は、「精神/物体」の区分、つまりいわゆる心身二元論というやつになる。この区分は実体レベルにおける区分であって、それぞれ神以外にその存在の根拠を支えるものはない。 「神の存在証明」の部分に関して言…

[愚者考]−『方法序説』

(2) つぎに、デカルトが道徳の格率について語りだすときに現れる「2」が、「判断のレベル/行動のレベル」という区分になる*1。この部分については、「非決定」という言葉が一つの核なんじゃないかとぼくは思う。非決定が許されるレベル(判断のレベル)…

[愚者考]−『方法序説』

さて、『方法序説』について考えてみよう。 (1) はじめに直観的な物言いをしてしまえば、ぼくが何を『方法序説』解釈の核とするかというと、それは「展開」と、「2」という二つになる。 第一部から順に読んでいったわけだけど、最初のキーワードとして考…

Private Opinions

きょうからデカルト『方法序説』読了の所感をまとめていこうと思ったのだけど、ちょっとその前に僕自身の方法論について確認しておく必要がある。 まず、いままでこのblogで読んできたことや所々感じたこと・考えたことというのは、基本的にぼくのためだけに…

[愚者読]−『方法序説』

第六部へ。うまくいけばこの読書も今日で最後。 第五部と同じくらいの長さ。 ただ、『世界論』を刊行しなかった理由だとか、いまこの書物*1を出す理由だとか、そんなことをうだうだ言ってるのが大部分で、そういう枠組みのせいでなんだか愚痴聞かされてるよ…

[愚者読]−『方法序説』

第五部へ。 第五部はわりと長い。 第一の真理から私が演繹した他の真理の連鎖のすべてをここに示したい(P52) と始まっているけれど、実際は当時の社会状況(宗教裁判乱発、下手なことを言ったら罪人どころか処刑されてしまう)への配慮などから、一部を…

[愚者読]−『方法序説』

遅々として進まない。とにかく、続き。 幾何学の証明については、それは明証的だが、対象の「存在」は保証しないとするデカルト。そしてここから三つ目の神の存在証明(「神の存在論的証明」@カント)へ。 完全な存在者の観念の中には現存ということが含ま…