読んだ本をメモ。
小説。『モンスターフルーツの熟れる時』(小林恭二:新潮社)。小林恭二はずっと前に読んだ『ゼウスガーデン衰亡史』以来の二冊目*1。連作短編という形なんだろうか、これは。各章の語り手は同じ(「わたし」)で、それを通して語られる各人のエピソードが最終章で「わたし」の物語へと終結する(最終章の題名も「わたし」)。すっきりした構造だけれど、それ自体は連作短編の基本的な手法だし。また、むりやりテーマを抽出しようとするなら、それは「性と生」とでもいうものになるのだろう(前半の2章が「性」に、後半2章が「生」に対応している、といったふうに)。でもそれがすべてじゃない。要するに、面白かったけれど、何が面白いのかはよく分からなかったということです。
「嗤う日本のナショナリズム――『2ちゃんねる』にみるアイロニズムロマン主義」(北田暁大:『世界』2003年11月号)。ちょっと前に話題になった論考を遅ればせながら読む。2ちゃんねるの反マスコミ主義とナショナリズムについて、社会学的に取り上げたもの。あとで簡単に整理しておくつもり。
世間が発散させている休日の匂いに中ってしまって、なんだかバテバテ。


追記。最近何を考えたか分かるように、blogに[最新タイトル]を加えてみた。映画とか、軽めの本ばかりが並んでいることに唖然。自分にとって楽なほうに流されていくと、脳みそが筋肉になるだけで終わらずに筋弛緩状態でなって笑えなくなるので、気をつけること。


*1:内容がまったく思い出せない・・・