読んだ本のメモ。
『自我の起原 愛とエゴイズムの動物社会学』(真木悠介岩波書店)。
勉強。ダーウィンローレンツドーキンスも読んだことがないのはいかがなものかと思い、でもそれぞれの著作にあたる情熱もないぼくが、生物社会学について簡単に知ろうと安易な気持ちで手に取った本。この判断が甘く、読了までずいぶん時間がかかってしまった。
生物社会学的な自我の探求は(すなわち本書の内容は)、「重層的に規定」されている「われわれの自我」について、「その1つの基底的な位相を明確にしておこうとするもの」にすぎない。けれど、自我の契機を見るうえで不可欠の理論的予備作業であることには間違いない。<個体>がその起源において共生のシステムであることや、エクスタシーという自我の脱個体化が個体の欲望の核心部分にあることの逆説など、興味深い点は多かったが、なにぶん「勉強」だったので自分の中での処理に手間取った。読み物としては補論2の、宮沢賢治に即して展開された「性現象と宗教現象」のほうがぼくには面白かったわけで・・・。まあ、そう感じたのも本論を「勉強」したからだろうけど。
ただ、サブタイトルはもう少し何とかならなかったのかなと。
NANA』(矢沢あい集英社)。
売れてることは前から知ってたけど、なんとなく読む気にならなかったマンガ。知り合いに薦められて、まあいいタイミングだと思い、1〜4巻までをとりあえず読破。感想は、特になし。関係性を描くことが少女漫画の系譜だとするなら、わりとそれに忠実な印象。時間があれば続きも。


日が長くなったなあ。