『雲のむこう、約束の場所』(1)

何度か風邪をひいて、また調子が悪くなっておとなしく横になっていたら違う病気だった。病院にいって、違う診察科薦められて、そこで診てもらって分かった。
病院とかいかない限りは、「ぜんぶ風邪」なんだよね。名前を付けるとか、名前が付くことの意味っていうのは、やっぱりこのへんから発生しているんだなあなどとしみじみ。
つうか、ここんとこ身体弱すぎです。
観た映画を思い出しながら。


渋谷シネマライズ。昔は本当によく行ったけれど、実のところあまり好きな映画館ではない。一階席から見上げる角度、二階席から見下ろす角度、どちらもぼくには中途半端で、予告編の間に酔ったような感じになる。まあ、それ以上に渋谷の駅を降りてセンター街をくぐりスペイン坂を登るという、その道が苦手なのだけど。
さて、『雲のむこう、約束の場所』(監督:新海誠)である。
前作『ほしのこえ』は好きな映画だ。余計なものを全てそぎ落とした純粋な線形が醸し出すポエジーが見事に表現されていたし、「世界」のために離れていく「距離」と、しかしその「世界」ゆえにつながっている「距離」という二重性が主人公たちの「意志」を鮮やかに浮かび上がらせるという構図もうまくできていたし心に残った。今回の『雲のむこう、約束の場所』のためにもう一度見ておいたのだけど、そうした思いはいまも変わらない。
その印象を抱えて渋谷に行ったわけである。以下、感想。ネタバレあり。
(1)
まず最初の三十分間ほど、つまり中学時代のヒロキとタクヤとサユリのシーンは、ぼくにとってはとても退屈だった。なんというか、この部分は見ている間から(例えばナレーション*1の視点などによって)はっきりと「前フリ」だと分かるわけで。前フリは必要だし悪くないのだけど、同じタイミングで話し出すシーンなどなどの青春的符丁は、もはやベタベタを通り越して本当に記号のようにしか(ぼくには)見えなかったわけで。



首が重い。次回へ続く。


*1:ヒロキの声。吉岡秀隆が演じる