二冊ほど

読んだ本をメモ。
山田風太郎『白波五人帖』(集英社文庫)、『自来也忍法帖』(文春ネスコ)。
自来也忍法帖』のほうは早々に展開が読めてしまったので興味が持続するかどうか心配だったけれど、短期間で読了。『白波五人帖』は旅行に持っていき、疲れたときなどにところどころの公園のベンチでページを手繰っていたら終わってしまった。韓国で山田風太郎を読むというのも、気分的に目新しくて個人的にはよかった。
構造的に奇抜な設定と、キャラクターのあまりの人間臭さ。あるいは「操作できるもの」と「操作できないもの*1」によるダイナミズム*2。それこそが風太郎の核だと、改めて思う。
大塚英志『定本 物語消費論』(角川文庫)。旅行で出国前に売店にあったので。税金がかからないので少し得した気分になった。
細かく展開するつもりはないけれど、大塚の論のキーワードのひとつに「うんざり」を挙げてもいいんじゃないかとぼくは思っている。はじめに、というか「はじめのほうに」「うんざり」があり、そこから言説が始まる。あるいは、議論が突然個人的な「うんざり」にショートするみたいな。
まあ、枝葉ですが。


*1:あるいは、できるけれどもあえてしないもの

*2:極端な例が「男」と「女」