ここの数日で読了した本をメモ。忘れてしまうから。
まず、『サイボーグ・フェミニズム 増補版』(巽孝之編:水声社)。所収された論文のなかではやっぱり、ダナ・ハラウェイの「サイボーグ宣言」が興味深い。というか、それを中心にして、あとは反応した論文をいくつか加えただけの本だし。ただ、ちょっと読みづらかった。内容も、それなりの基本知識、フェミニズムやSFに対する文脈理解を前提としているためにちょっと(ぼくには)難しかったのだけれど、それ以前に訳文の責任も大きいと感じた*1。さっそく先日書いた『アップルシード』の感想に反映されてるし。影響力、大。
つぎはミステリ。『凶笑面』(北森鴻新潮文庫)。民俗学とミステリを融合させた(というか、ミステリの舞台設定に「民俗学」をもってきた)短編小説集。法月綸太郎の解説がほとんどすべて(ぼくには)。たいした感想なし。
最後は、『自由を考える』(東浩紀大澤真幸:NHKブックス)。工学レベルで管理社会と化しつつある現在についての、分かりやすい対談集。少し考えるところもあったので、この本についてはあとで感想を整理しておくつもり。


*1:ダナ・ハラウェイ『猿と女とサイボーグ』(青土社)に入っている「サイボーグ宣言」のほうが読みやすいし